2008年12月31日

アメリカ人弁護士が見た裁判員制度

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アメリカ人弁護士が見た裁判員制度 (平凡社新書)
コリン・P. A. ジョーンズ
2008/11/14

[目次]
はじめに
第1章 アメリカ人弁護士が見た日本の法律制度
 1 「日本人の法意識」という不思議な文化論
 2 日本の法律は誰のためにあるのか
 3 日本型分権と「お役所のための法律」の特徴
 4 裁判所もお役所である
第2章 陪審制度の真意
 1 陪審制度とはどういうものか
 2 陪審制度はいかにして生まれたか
 3 イギリスの陪審員がアメリカの創設者だった?
 4 陪審の本当の力
 5 再度、陪審制度に対する批判について
第3章 裁判員制度の謎
 1 再考、裁判員法の趣旨
 2 裁判員は「超人的」な裁判官に信用されうるのか?
 3 対象は「社会的影響力が大きい事件」?
 4 「裁判員になれない人々」の謎
  :
 9 謎の判決書と上訴
第4章 裁判員制度は誰のものか
あとがき

陪審制度と比較しながら裁判員制度を見ていく。
裁判員制度は誰のためのものなのかと問いかけ、裁判官のためのものだと結論付ける。その結論になるほどそうだとうなずかされる。まあ、この本を読む前からそう思っていたけれど、この本を読んでいっそうそう思うようになった。

役人としての裁判官、お役所としての裁判所の批判の本とも言える。

しかし、制度批判だけでなく、問題点があるからこそ、その裁判員制度を前向きに見ていくことで、司法をよりよくしていく方向性を探そうとしている。

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2008年12月30日

ブログ論壇の誕生

[目次]
1 ブログ論壇はマスコミを揺さぶる
 毎日新聞低俗記事事件
 あらたにす
 ウィキペディア
2 ブログ論壇は政治を動かす
 チベット問題で激突するウヨとサヨ
 「小沢の走狗」となったニコニコ動画
 志位和夫の国会質問
 安倍の窮地に暗躍した広告ロボット
3 ブログ論壇は格差社会に苦悩する
 辛抱を説く団塊への猛反発
 トリアージ
 承認という問題
 ケータイが生み出す新たなネット論壇世界
4 ブログ論壇はどこへ向かうのか
 『JJ』モデルブログ
 光市「1・5人」発言―ブログの言論責任は誰にあるのか
 青少年ネット規正法
 「ブログ限界論」を超えて

本書は雑誌「諸君」に連載した記事その他を改稿したものということで、15の話題の一つ一つは10-20ページであり、そんなに大きな分量ではない。扱っているのは2007年夏から2008年前半に起こった"ブログ論壇"がらみの「事件」ということになる。

へー、最近はインターネットの世界でこんなことが起こっていたのかということが知れて、私には面白かった。著者の文章は、変にくどくなく、しかも割と迫力があって、その論調も私は好きだ。これで彼の本、何冊目だろう?

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2008年12月29日

二酸化炭素温暖化説は間違っている

[目次]
はじめに
1章 CO2温暖化説はこうして拡がった
2章 気温上昇が「原因」、CO2増加は「結果」
3章 地球は「水の惑星」である
4章 温暖化の原因は何か?
5章 無意味で有害な温暖化対策
6章 エコファシズムの時代
付章 重力場における気体の物理学―対流圏気象学の基礎


地球温暖化の主な原因が二酸化炭素の人工的排出にあるとして、二酸化炭素の排出を抑えて温暖化を抑止しようとする昨今の社会的流れに対して、著者は、気温上昇が「原因」でCO2増加は「結果」だという見解を示す。そしてまた、「温室効果」を考える上で地球大気における温度を決定付けるのは、CO2その他の「温室効果ガス」が主役ではなく、H2O(水)の寄与が主要であると説く。

CO2温暖化説の仕掛け人は誰なのか、種々の温暖化対策の無意味さあるいは有害さにも言及している。
温暖化を抑止しようという対策として、省エネの推進が検討されたり環境意識が高まることは良いことだと思うが、二酸化炭素排出を少なくしようということで原子力発電を推進しようという動きがある。しかし、これはある意味本末転倒な思考だと思う。温暖化という形の環境変化と、放射性物質の増加蓄積という環境悪化のどちらが酷い環境変化なのかを見極めたいものだ。

理論的な話の付章を除けば138ページの小論なので思ったより短時間で読めた。多くの人に読んでもらい考える一助にしてもらいたい1冊だ。


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posted by shirube's BLOG @seesaa at 13:30 | Comment(0) | TrackBack(0) | 本との出会い

2008年12月10日

広重の暗号―浮世絵に潜む謎

[目次]
プロローグ 絵師・安藤広重のもうひとつの顔
第1章 誰も知らない「東海道五十三次」の謎
第2章 “日本の異常気象”が“絵”に暗示されていた!
第3章 なぜ「実際と異なる風景」が描かれたのか
第4章 一七九七年から二〇一三年に至る歴史の暗号
第5章 あっと驚く“隠し絵”の中の秘密
第6章 今明かされる「最後の三枚」の未来図
エピローグ 広重が遺したメッセージを読み解く


広重は一生涯に21種の東海道53次続絵を描いたそうだが、その最初の作品であり最高傑作である保永堂版・東海道五十三次続絵には、いろいろな謎が隠されており、それは、道教の神秘思想家でもあった広重が過去から未来までの事件を暗示的に描いた結果だという。五十三次の絵は、江戸から京都までの55枚で1セットになっているが、それは順に広重誕生の1797年から4年ごとに数えた2013年までの出来事を暗示しているという。

温暖な駿河湾に大雪が降る絵である蒲原の図は、1856年の夏に江戸に降った雪を代表とする当時の異常気象を示し、さらには1958年の広重の死にもつながっているという。

その場所に存在しない山や奇妙な地形、6本指の人の足などに注目して、それが何を意味するのかを考える。異常気象、関東大震災や桜島噴火といった自然災害、さらには日独伊の三国同盟や広島・長崎の原爆被災などまで描かれているという解釈が展開していく。

草津、大津、京都の3図はそれぞれ2005年、2009年、2013年近傍の予言になる。1831年発行の保永堂版・東海道五十三次続絵は、広重にとっては、10枚目の小田原以降が未来の予言図になる。2006年発行のこの本の著者から見れば、53枚目の草津がほぼ現在であり、大津と京都がごく近い未来だ。


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posted by shirube's BLOG @seesaa at 23:58 | Comment(0) | TrackBack(0) | 本との出会い
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