2009年05月17日

丸腰国家―軍隊を放棄したコスタリカ

[目次]
第1部 「丸腰国家」コスタリカの真実
 第1章 コスタリカはどうやって軍隊をなくしたのか?
 第2章 軍隊がなくても大丈夫なのか?
 第3章 コスタリカには本当に軍隊がないのか?
 第4章 コスタリカは軍隊を持てるのか?
第2部 「丸腰国家」をつくる人たち
 第5章 コスタリカ人とはいかなる人たちか?
 第6章 コスタリカ人が考える平和とは何か?
 第7章 コスタリカは「平和のパラダイス」か?
 第8章 還暦を迎えた「軍隊をすてた国」)

中央アメリカの国コスタリカは、1948年に軍隊を放棄して「丸腰」になった。その歴史や国民性を見ていく。軍隊がなくてもやっていけるのか、ほんとうに軍隊がないのかを検証していく。

非武装を「理想」として見るのではなく、「現実」に軍隊をなくした国。軍事費をなくすことで、その分を教育や医療にまわせる。その結果、教育も医療も無料だという!

コスタリカが軍隊なしにやっていけるのは、国の規模・地政的な位置付けや米国をはじめとする周辺国との関係が大きく作用している。他の国が同じように「丸腰」でやっていけるのかどうかの普遍性を考える上では、それほど参考にならないのかもしれない。でも、ひとつの実例がここにあるという意味では、やはり注目に値すると思う。

第1部では、歴史や現状をできるだけ客観的に解説している。
第2部では、自分の体験を示しながら、コスタリカの「人」がどんなであるかを見極めようとしている。「平和」に対する、コスタリカ人と日本人の見方の違いが興味深い。

第6章の終盤で、「刑務所には塀がない」という項があり、囚人たちが楽園の住人のような生活をしているが、それは、「彼らが犯罪に走ったのは、人権というものを深く理解していなかったからです。それは彼ら自身の人権が尊重されなかった証でもあります。だから、ここではまず、彼ら自身の人権をできるだけ尊重することで人権意識を目覚めさせ、更生を図っているのですよ」という考えからなのだという。「目からうろこ」的な考え方だなと思った。

第7章では、コスタリカが「平和のパラダイス」なのか?を見ていく。非武装とどこまで関係しているかは論議せずに、政治腐敗・政治不信・貧困・環境破壊・賄賂の横行・人権問題など、負の現状が提示されている。前章で、教育や医療の場での無料化、「環境先進国」などの明るい現状が語られただけに、この章での影の一面は印象的だ。

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posted by shirube's BLOG @seesaa at 15:55 | Comment(0) | TrackBack(0) | 本との出会い
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