2012年10月23日

震える牛

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震える牛
相場 英雄

2012年2月初版発行。
表題を読んでも、何の話かさっぱり想像できなかったが、読んでいるうちになるほどうまいタイトルだと思った。
話は、継続捜査担当の刑事が、発生から2年が経つ未解決事案の居酒屋強盗殺人事件の捜査を命じられるところかた始まる。初動捜査では犯人を「金目当ての不良外国人」に絞り込んだ事件であるが、継続捜査担当刑事が事件現場周辺の目撃証言を徹底的に洗い直すと、そうではないだろうという方向性が出てきた。
事件の際、居酒屋店員以外に、互いに面識のない獣医師と産廃業者の2人の客が殺されていたのだが、彼らの繋がりを探るにつれて、大型商業施設の地方進出に伴う地元商店街の苦境の問題や加工食品の安全の問題が顕在化していく。
事件推理ものというよりも、その形式で語られる社会問題啓発ものだ。
シャッター街に象徴的な地方都市衰退の問題と、食肉「偽装」事件に表れた食の安全問題を考える。

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2012年10月20日

パズル・パレス

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パズル・パレス 上 (角川文庫)
ダン・ブラウン 熊谷 千寿
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パズル・パレス 下 (角川文庫)
ダン・ブラウン 越前 敏弥

「天使と悪魔」(2000年)や「ダ・ヴィンチ・コード」(2003年)の作者ダン・ブラウンの処女作で1998年の作。

アメリカ国家安全保障局のスーパーコンピュータが、元局員に狙われるという話。話は、パスワードを獲得する攻防で、「天使と悪魔」や「ダ・ヴィンチ・コード」のような宗教色がないので、映画化された2作よりもずっとわかり易く今日的。話の内容はほとんどスパイアクション映画的に展開していく。当然のように話は2転3転して後半に進むにつれて話に引き込まれて本から離れられなくなり、読む速度が高速化してしまう。ただし、最後の「推理」にはイライラした。紆余屈折を経て、私が最初に頭に浮かべた答えがそのまま解答だったのには少しガッカリ。まあ、最後の謎解きを読者が先行して推理できるようにして優越感を持たせて喜ばせる手法なのかもしれない。

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